今年流行するインフルエンザ、その傾向はいつ分かる?

今年流行するインフルエンザ、その傾向はいつ分かる?
2018.02.14 インフルエンザ

監修:川崎市健康安全研究所 所長 岡部 信彦 先生

「今年はインフルエンザA型が大流行の兆し」といった報道がされますが、そもそも、その年にどの型のインフルエンザが流行するのか、どのようにして分かるのでしょうか? インフルエンザ流行の分析方法について知り、今年の流行に備えておきましょう。

この記事のポイント

  • インフルエンザが毎年流行するのは、ウイルスがマイナーチェンジをしているから
  • 流行するインフルエンザウイルスの種類は、世界各地のインフルエンザウイルスを分析し、WHOが発表している

インフルエンザはなぜ大流行する?

そもそも、星の数ほどあるといっても過言ではない感染症のうち、インフルエンザだけが毎シーズン大きく取り上げられ、流行するのはなぜなのでしょう。その理由は、インフルエンザウイルスが持つ特性にあります。

インフルエンザウイルスは、抗原性(病気やアレルギーを発症させる刺激となるもの)の違いから、A型・B型・C型の3タイプに分けられます。このうち、大きく流行するのは感染力の強いA型とB型のウイルスです。そして、特に注意すべきなのがA型のインフルエンザウイルス。実は、A型のウイルスは毎年のように抗原性を変化させ、いわゆるモデルチェンジを行っているのです。ウイルス側からいえば少しずつかたちを変えることでヒトの持つ免疫から逃れ、流行をし続けています。そして、数年~数10年ごとに大変異、すなわち大幅リニューアルを行い、世界的大流行をもたらします。それが、新型インフルエンザウイルスによるパンデミックです。インフルエンザウイルスの変化については、以下のページでもっと詳しく解説しています。

インフルエンザが毎年流行する理由

流行するインフルエンザウイルスを予測する方法

日本でインフルエンザが流行する季節は冬、時期でいうと毎年12月~3月です。流行時期の少し前になると、「今年は昨年とは異なり、A香港型のインフルエンザが流行するか?」といった報道が、テレビや新聞あるいはネットなどでも流れます。これを見て、「まだ流行もしていないのに、一体どうして分かるんだろう?」と疑問に思ったことのある人もいるでしょう。

地球単位で見ると、一年中どこかしらでインフルエンザが流行しており、その様子から、今後流行するウイルスの傾向を予測しているのです。国内では、インフルエンザ流行の中から変異したウイルスがいないかどうかを探し、それによって翌年のウイルスの変化がどのようなものか毎年推測をしています。

世界保健機関(WHO)によると季節性インフルエンザの流行は、北半球では10月~3月、南半球では4月~9月にかけて発生するといわれており、熱帯および亜熱帯諸国では一年中、だらだらとした流行がみられます。

そのように世界各地で、現在進行系で流行しているインフルエンザウイルス情報を集めてWHOで分析・協議をし、次のシーズンに流行すると思われるウイルスの種類を発表しているのです。発表が行われるのは南半球・北半球に分けてそれぞれ年に1回合計年2回で、日本では国内の流行状況に加えてWHOの発表を参考に、毎年6月~7月ごろ、国立感染症研究所がそのシーズンの日本におけるワクチン推奨株を選定しています。

インフルエンザの予防方法

どんなタイプのインフルエンザウイルスが流行しようとも、かからないに越したことはありません。本格的な流行シーズンに備えて、インフルエンザの予防方法をあらためて確認しておきましょう。

基本的な予防法は、インフルエンザが流行する時期には人混みを避けること。そして、外出する場合はマスクを着用し、外から帰ったら手洗いやうがいをしっかり行うことです。まずはこれらの基本的なことを、忘れずに行いましょう。

医学的に効果が明らかのものが、インフルエンザワクチンの接種です。インフルエンザワクチンは、ポリオや麻しん(はしか)ほどの高い効果は期待できませんが、高齢者の場合、ワクチンを接種することでインフルエンザの発症を約45%、死亡を約80%阻止できるとされています。

なお、インフルエンザワクチンは一般的に、年齢が低いほど効果が下がるといわれています。そのため、同じ接種量でも年齢が低い場合は2回接種が推奨されており、さらに1回目と2回目の間を4週間空けて接種すると、より効果が高まるとされています。12月中旬までに済ませておくと、流行のピーク前に十分な効果を得られやすいので、その時期に接種が終えられるようスケジュールを組んでおきましょう。

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