妊娠中に予防接種を受けても大丈夫ですか?

妊娠中に予防接種を受けても大丈夫ですか?
2017.04.10 妊娠中 予防接種

監修:福島県立医科大学 小児科学講座 教授 細矢 光亮 先生

薬の使えない妊婦さんにとって、病気はご法度。麻しんや風しんといった感染症の予防が重要です。しかしながら、妊娠中は予防接種を受けてよいものかどうか、悩みどころでもあります。妊娠中に予防接種を受けても問題がないのでしょうか?

この記事のポイント

  • 妊娠中に予防接種をしてもよいかどうかは、ワクチンの種類と妊娠週数による
  • 妊娠初期は種類に関わらず接種NG、後期は不活化ワクチンなら接種してもよい
  • ただし、必ずかかりつけの産科医に相談すること

妊娠中に予防接種をしてもよい?

妊娠中に予防接種をしてもよいかどうかは、ワクチンの種類と妊娠の週数によって異なります。
ワクチンはその性質や状態により、「生ワクチン」、「不活化ワクチン」、「トキソイド」に分類できます。それぞれの詳細については、以下のリンク先を確認してください。

ワクチンの種類

このうち、生ワクチンについては妊娠期間を通じて接種はNGです。妊娠中は免疫力が低下するため、たとえ毒性を弱めていても、ワクチンに含まれる細菌やウイルスが増えて胎児にまで感染するおそれがあります。それを考慮して、妊娠中は生ワクチンの接種をしないことになっています。

妊娠中は不活化ワクチンおよびトキソイドの接種が可能ですが、それでも妊娠初期(妊娠15週目まで)は接種できません。お腹の赤ちゃんの体が作られる大切な時期であるため、予防接種は避けるのが基本です。

不活化ワクチンは、妊娠後期(妊娠28週以降)ならば接種が可能です。例えば、代表的な不活化ワクチンであるインフルエンザワクチンは、感染や重症化を避けるためにも接種しておくのがよいでしょう。ただし、体調や妊娠経過の状態によってはできないこともあるので、必ず医師に相談しましょう。

トキソイドについては、日本では破傷風やジフテリアといった特定の感染症予防に使用されています。そのため、それらの感染症を発症するリスクが母体やお腹の赤ちゃんの安全性を上回ると判断できる場合、ワクチンを接種することがありますが、基本的には稀なケースと考えてよいでしょう。

なお、妊娠中期(妊娠16週~27週)の予防接種は、妊娠経過によって可否の判断が異なるので、かかりつけ医の判断を仰いでください。

麻しん、風しんの予防接種は?

インフルエンザのほか、妊娠中に感染すると重症化したり、赤ちゃんに悪影響があったりするおそれがある感染症に麻しん(はしか)や風しんがあります。これらは、ワクチンを接種すると感染を予防できますが、麻しんも風しんも、ワクチンの種類は生ワクチンなので、妊娠中は接種ができません。

麻しんや風しんのワクチンについては、妊娠前に予防接種をしておくか、一緒に過ごす時間の長い、ご家族や同僚などで麻しんや風しんの抗体がない人に接種をお願いしましょう。ワクチンを接種してから免疫ができるまでには1か月~2か月ほどかかるので、早めに受けることをおすすめします。

手洗い、マスクで感染予防がおすすめ

風しんは春から初夏にかけて、インフルエンザは秋から春にかけて流行します。つまり、一年のうちで感染症の流行が落ち着いている季節というのは、ほぼないと言えます。インフルエンザや麻しん、風しんは飛沫による感染(唾液などのしぶきによる感染)が大半ですので、妊婦さんはワクチンを接種していたとしても、外出時にはマスク装着と手洗いを徹底して、予防に努めましょう。

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