妊婦さんもインフルエンザ予防接種をしてよい?

妊婦さんもインフルエンザ予防接種をしてよい?
2018.02.14
妊娠中 インフルエンザ

監修:川崎市健康安全研究所 所長 岡部 信彦 先生

妊婦さんがインフルエンザに感染すると、風しんの感染のように胎児に障害が現れることはありませんが、妊娠経過に悪影響を及ぼすほか、流産や早産の原因となったりすることがあるので、インフルエンザの感染予防は重要です。インフルエンザワクチンの接種は感染の予防策として重要ですが、妊娠中は、ワクチンの接種をしてよいものかと心配になる人もいるでしょう。妊婦さんのインフルエンザ予防接種について知っておきたいことをまとめました。

この記事のポイント

  • インフルエンザワクチンは不活化ワクチンなので、妊娠中に接種してもよい
  • 妊娠中のワクチン接種によってできたインフルエンザに対する免疫(抗体)は胎児にも移行するので、産まれてまもない赤ちゃんのインフルエンザ予防につながる
  • 万が一インフルエンザにかかったら、すぐに適切な治療を

インフルエンザの予防接種は妊娠中でもOK

妊娠中でもインフルエンザの予防接種をするのはOKです。

ワクチンには、「生ワクチン」と「不活化ワクチン」という2つの種類があります。生ワクチンは、生物学的操作で菌やウイルスの病原毒性がほぼないくらいに弱めてつくったワクチンです。BCGや麻しん(はしか)、風しん、おたふくかぜ風邪、水ぼうそうなどが代表的な生ワクチンで、接種すると病原性を弱めた菌やウイルスが体内で増殖し、体がそれに反応して免疫力がついて、その病気にかからないようになります。場合によっては副反応として菌やウイルスへの反応として発熱や発疹など、その病気の軽い症状が出ることもあります。極めてまれですが病気本来の症状が出ることもあるので、体調の変化にはご注意ください。

一方、不活化ワクチンは、化学的処理を加えて感染性をなくした(不活化した)菌やウイルスを使ってつくったものです。まったく病原性がない菌やウイルスが原材料なので、接種後にその病気の症状がでることはありません。しかしワクチンに含まれている物質への生体反応として、発熱や腫れ、アレルギー反応が出ることがあるので、生ワクチンと同様、接種後には体調の変化にご注意ください。

日本国内で認可されているインフルエンザワクチンは、不活化ワクチンです。重篤(じゅうとく)な副反応は極めてまれで、妊婦さんへ接種した場合のお腹の赤ちゃんへの悪影響は認められておらず、妊婦さんでも接種が可能です。

赤ちゃんのインフルエンザ予防にもつながる

妊娠中にインフルエンザワクチンを接種することは、生まれてくる赤ちゃんのインフルエンザ予防にもつながります。妊娠中に獲得したインフルエンザに対する免疫(抗体)は、出産時の母体にも残る上、胎盤を通じて赤ちゃんにも移行することが、わかっています。生まれた後、赤ちゃんがインフルエンザの予防接種を受けられるようになるのは6カ月以上たってからです。それまでは母体からもらった免疫が赤ちゃんの体を守ることになるため、赤ちゃんを守るという意味でも、妊娠中にインフルエンザの予防接種を受けておくメリットはあるでしょう。

インフルエンザにかかったら、適切な治療を

インフルエンザワクチンは、残念ながらインフルエンザを完全に予防できるわけではなく、ワクチンを接種したけれどインフルエンザにかかってしまうこともあります。もしもインフルエンザかもしれない症状が現れたならば、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。インフルエンザのように見える、別の病気のこともあります。妊娠中は、そうではない時もより慎重に行動することを心がけましょう。

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