風しんが妊婦さんに与える影響は?

風しんが妊婦さんに与える影響は?
2018.05.21 妊娠中

監修:福島県立医科大学 小児科学講座 教授 細矢 光亮 先生

妊娠中、風しんにかかってしまうと、妊婦さんだけでなく胎児にまで影響を与えるおそれがあります。風しんについては一定の世代では子どものときに予防接種を受けていなかったり、抗体が十分できなかったりするケースがあることから、そのような場合は予防接種の積極的な接種が望まれます。妊婦さんが風しんにかかった場合、どのようなリスクがあるのかを知っておきましょう。

この記事のポイント

  • 妊娠中、妊婦さんが風しんにかかると、胎児にも感染し、先天性異常を引き起こすおそれがある
  • 特に妊娠12週未満の、いわゆる妊娠初期に感染すると、80%以上の高い確率で母子感染が起こる
  • 風しんを予防するにはワクチン接種で免疫を作るしかない

風しんとは? 主な症状や感染経路は?

風しん(ふうしん)とは、風しんウイルスによって発症する感染症です。飛沫感染により感染し、2週間~3週間の潜伏期間を経た後、以下のような症状が現れます。

  • 小さな赤い発疹が顔~全身に広がる(3日間程度)
  • 発疹に前後して発熱がある
  • 後頭部や耳の後ろ、首の辺りのリンパ節が腫れる

そのほか、眼の結膜の充血や、鼻かぜのような症状が現れることもあり、それらが大体1週間程度続きます。
ただし、中には感染しても症状が現れないという厄介なケースもあり、注意が必要です。

妊娠初期の妊婦さんが感染すると、80%以上の確率で胎児にも感染する

妊婦さんが風しんにかかることは、できるだけ避けなければなりません。なぜなら、妊婦さんが風しんにかかると、お腹の赤ちゃんにも感染が拡大するおそれがあるからです。特に妊娠12週未満の、いわゆる妊娠初期の妊婦さんが風しんに感染すると、80%以上の高い確率で母子感染が起こり、赤ちゃんに先天異常が生じることがあります。風しんウイルスへの感染による先天異常のことを、先天性風しん症候群(CRS)といいます。CRSを発症すると、赤ちゃんは先天的に白内障、心奇形、難聴(CRSの三大症状)などを伴って生まれてきます。

風しんを予防する方法は、ワクチン接種だけ

CRSは、妊娠中の風しん感染を予防すれば十分に防げる病気です。ワクチンを接種すれば、風しんへの感染はほぼ確実に防ぐことができます。しかし、風しんのワクチンは生ワクチンのため、妊娠中に接種することができません。妊娠中の感染を防ぐには、妊娠前に予防接種を受けて、免疫(抗体)を作っておくしかないのです。妊娠を予定している人や妊娠中のパートナーを持つ男性、そのほか身近に妊婦さんがいる人は、抗体の検査をして風しんの抗体があるかどうかを確認し、必要に応じてワクチン接種を行いましょう。

風しんの抗体検査は、妊娠初期に必ず行われるため、そのときに初めて抗体のないことが分かる人もいます。もしも、妊娠初期の検査で風しんの抗体がないことが分かってしまったら、外出時はできるだけマスクをし、人混みを避けるなど、感染予防をくれぐれも心掛けてください。

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