赤ちゃんが気をつけたい病気、麻しんの症状

赤ちゃんが気をつけたい病気、麻しんの症状
2017.06.12 子どもの病気

監修:福島県立医科大学 小児科学講座 教授 細矢 光亮 先生

赤ちゃんや小さな子どもがかかりやすい病気にはさまざまなものがありますが、中でも気をつけておきたいのが麻しん(はしか)です。同じMRという混合ワクチンで予防できる感染症の風しんと同じようなものだと思いがちですが、実は全く違う病気で、混同しているとトラブルになることもあります。今回は、赤ちゃんが特に気をつけたい病気、麻しんについて紹介します。

この記事のポイント

  • 麻しんと風しんは、症状は似ているが別の病気
  • 乳幼児期に麻しんに感染すると、合併症を起こすおそれがあり、注意が必要
  • 麻しんウイルスの潜伏期間中にワクチンを接種することで麻しんの発症を予防できる

麻しんと風しんは、似ているが別の病気

麻しんと風しんは、どちらも発熱と発疹を伴う感染症で、名前も似ています。病気の通称も、麻しんが「はしか」と呼ばれることもあるのに対し、風しんは「三日ばしか」と、これまた似ています。それゆえに同じようなものだと思いがちですが、実は異なる病気です。

そもそも感染するウイルスの種類が違います。麻しんを発症するのは「麻しんウイルス」で、風しんを発症するのは「風しんウイルス」です。

そして、大きく異なるのが感染力です。風しんウイルスは感染しても、そのうち3分の1程度の人しか症状が現れませんが、麻しんウイルスの場合、感染するとほぼ確実に発症する上、国立感染症研究所のWebサイトによれば「麻しんの免疫がない集団に1人の発症者がいたとすると、12~14人の人が感染するとされています(インフルエンザでは1~2人)」と、感染力の強さが伺えます。

日本ではワクチンの2回接種の効果により、平成27年3月27日に世界保健機関(WHO)より「麻しんの排除状態にある」と認定されていますが、その後も集団感染は起こっており、引き続き注意が必要です。

なぜ子どもが麻しんに感染すると危険なのか

日本ではほぼ排除されたと言える麻しんですが、途上国ではいまだに5歳以下の子どもの主な死亡原因となっています。
赤ちゃんや小さな子どもが麻しんにより死に至ってしまうのは、麻しんに感染した結果、体力を消耗し、免疫が低下して深刻な合併症が引き起こされるからです。麻しんの合併症として最も多いのは肺炎です。麻しんウイルスそのものによる肺炎を起こしたり、肺に他の病原体が二次感染したり、俗に言う「こじらせる」状態になった結果、死亡する例は少なくありません。また、数は少ないですが脳炎を発症することもあり、こちらも後遺症が残ったり、死に至ったりすることがあります。

ワクチンで感染を予防できるので、いたずらに怖がらず接種を

ここのように、麻しんはたしかに怖い病気ではありますが、日本では麻しんワクチンが定期接種化されているため、ほぼ確実に予防できます。また万が一、麻しんのウイルスに接触しても、72時間以内であれば麻しんワクチン接種により、6日以内であれば「ガンマグロブリン」という抗体を投与することにより発症を防げる、あるいは軽症化できるといわれています。
確実に予防接種を受けて、感染予防することが大切です。

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