風邪だと思ったら…乳児のうちは気をつけておきたい、風邪に似た症状の病気

風邪だと思ったら…乳児のうちは気をつけておきたい、風邪に似た症状の病気
2017.05.15 子どもの病気

監修:福島県立医科大学 小児科学講座 教授 細矢 光亮 先生

体の未熟な赤ちゃんは、知らない間に病気が重症化してしまうことも少なくありません。特に気をつけたいのが「よくある風邪(上気道炎)だ」と思っていたら、実は初めの症状が非常によく似た、別の病気だった…という事態。そんな、風邪に似た症状ではじまる代表的な病気について紹介します。

この記事のポイント

  • RSウイルス感染症は、1歳未満が感染すると重症化しやすい
  • インフルエンザやロタウイルス、ノロウイルスなどの胃腸炎も、初期症状は風邪と似ている
  • 「風邪だろう」と自己判断せず、病院を受診し、医師の診断を仰ぎましょう

乳児は要注意、RSウイルス感染症

寒くなる時期に流行するRSウイルス感染症は、1歳未満で初めて感染すると、初めは軽い風邪(上気道炎)の症状ですが、気管支炎や肺炎といった重とくな状態に進行することがあり、赤ちゃんのいる家庭や保育園では特に注意が必要といわれています。

RSウイルスのRSとは「Respiratory Syncytial(=呼吸器の合胞体)」の略で、つまり、のどや気管支といった呼吸器に炎症を起こすウイルスで、感染した細胞が融合して合胞体を形成することから名付けられました。名前を聞いただけでは、いまいちピンとこない人がいるかもしれませんが、前述のような乳児が感染した場合の危険性から、近年にわかに注目が集まっています。2歳までにほぼ100%の子どもが最低一度は感染し、生涯にわたって何度も感染します。

特徴としては、ウイルスに感染しても症状の度合いに大きな個人差があることが挙げられます。軽い風邪症状だけの場合から重い肺炎まで、RSウイルス感染症の症状は実にさまざまです。そのため、大人の場合、感染しても「ただの風邪だろう」と判断してしまい、その結果、赤ちゃんに感染させて肺炎にさせてしまっては元も子もありません。手洗いを励行し、マスクを着用して、感染の拡大を防ぐことが大切です。

インフルエンザやウイルス性胃腸炎も、初期症状は風邪と似ている

そのほか、ノロウイルスをはじめとしたウイルス性の胃腸炎やインフルエンザも、初期症状は風邪と似ています。しかし、胃腸炎の場合は、激しい嘔吐や下痢があることで「普通の風邪ではない」と気づきますし、インフルエンザの場合は38度以上の高熱があるほか、関節痛や倦怠感といった全身症状が伴うため、「風邪にしては様子がおかしい」と気がつきます。

自己診断は危険、病院で医師の診断を仰ぎましょう

RSウイルスは「風邪のウイルスの一種」ですが、乳幼児では重症化し気管支炎や肺炎をおこします。このため、2012年7月から、毎週保健所への報告が必要な定点報告対象の感染症となっています。

RSウイルスに感染していることが分かっても、処方されるのは症状(発熱、せき、鼻水など)を緩和する薬だけで、何か特定の治療法があるわけではありません。ただし、重症化のおそれがある以上、乳児が多く集まる保育園などでは一層の注意が必要です。

乳児の場合、発熱や咳、鼻水などの症状が見られたら、安易に自己判断せず、医療機関を受診して医師の診断を仰ぐのがよいでしょう。

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