新生児の嘔吐、病気かどうかを見分けるポイントは?

新生児の嘔吐、病気かどうか見分けるポイントは?
2018.05.21 子どもの病気

監修:福島県立医科大学 小児科学講座 教授 細矢 光亮 先生

新生児は体の機能が未発達なため、母乳やミルクなどを吐き戻すことがあります。しかし、中には病気が原因となっている、命に関わる嘔吐も…。生まれて間もない赤ちゃんが嘔吐したとき、危険かどうかを見分けるにはどうしたらよいのでしょうか?

この記事のポイント

  • 新生児は体の機能が未熟なため、嘔吐をしやすい。生理的な嘔吐と病的な嘔吐を見分ける必要がある
  • 体重の減少、吐瀉物に血が混じる・黄色や緑色をしているなどの症状がある場合は、病的嘔吐の疑いがある
  • 新生児に嘔吐を引き起こす病気には、食道閉鎖症、幽門狭窄、腸管閉鎖などがある

病的な嘔吐と吐き戻し(溢乳・吐乳)の違い

生まれて間もない新生児は、体の機能が十分でないこともあり、ちょっとした刺激で嘔吐をすることが少なくありません。病気などの異常によらない生理的嘔吐であっても、母乳やミルクの量が増えてくると、それに伴い嘔吐の量も増えます。そこで、嘔吐をした際に、それが治療を要する病的なものなのか、それとも生理的なものなのかを見分けることが大切になってきます。

生理的な嘔吐で代表的なのは、溢乳(いつにゅう)や吐乳(とにゅう)と呼ばれる、いわゆる吐き戻しです。授乳後、口からダラダラとこぼれるような嘔吐をするものの、特に機嫌が悪かったり、ぐったりしたりする様子が見られない場合は、吐き戻しと考えてよいでしょう。母乳やミルクを飲みすぎたり、授乳後にげっぷがうまく出なかったりすると、このような嘔吐をすることがあります。吐瀉物(としゃぶつ)にはカッテージチーズのようなかたまりが含まれることもありますが、母乳やミルクが胃酸により変化したものですので、心配はいらないでしょう。

ただし、以下のような症状が見られる場合は、病的嘔吐のおそれがあります。

こんな症状があったら要注意

嘔吐と同時に、以下のような症状が見られる場合は、病的嘔吐の疑いがあります。病院を受診したほうがよいでしょう。

  • 体重が減っている、または体重がうまく増えない
  • 吐瀉物が黄色や緑色をしている
  • 吐瀉物や便に血が混じっている
  • 泡のような嘔吐や噴水のような嘔吐をする
  • 便が出ていない
  • 熱がある
  • 脱水症状がある
  • お腹が張って、膨らんでいる
  • 何度も嘔吐を繰り返す

新生児嘔吐を伴う病気

嘔吐を伴う新生児の病気には、以下のようなものがあります。

腸管の通過障害(胃軸捻転、消化管閉鎖・狭窄、腸回転異常症、壊死性腸炎、腸重積症、敗血症、低カリウム血症など)
上部消化管の通過障害では嘔吐が主な症状となります。黄色や緑色の嘔吐(胆汁性嘔吐)をする場合、下部消化管の通過障害が疑われます。この場合、嘔吐に加えてお腹の膨らみを伴うことや、血便を伴うこともあります。
頭蓋内圧の亢進(水頭症、頭蓋内出血、髄膜炎など)
頭の中の圧力(頭蓋内圧)が高くなる病気でも嘔吐をくり返します。
食道閉鎖症
泡沫状嘔吐と呼ばれる、泡のような嘔吐をするという特徴があります。
幽門狭窄
幽門(ゆうもん)という胃の出口部分が狭くなる異常です。勢いのある、噴水状の嘔吐があれば幽門狭窄の疑いがあります。生後1か月くらいの男児に多く、体重増加不良から体重減少、脱水症が見られることもあります。

最終的には「いつもと違う」という保護者の方の勘が頼りになります。気になる症状が見られたら、病院を受診し、医師に相談することをおすすめします。

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