新生児に出やすい黄疸とは? 症状と治療法

新生児に出やすい黄疸とは? 症状と治療法
2018.03.14 子どもの病気

監修:福島県立医科大学 小児科学講座 教授 細矢 光亮 先生

生まれたばかりの赤ちゃん=新生児の多くに黄疸が見られます。ほとんどが一過性のものですが、ときには治療が必要なこともあります。黄疸とは何か、新生児黄疸の原因や治療法、そして治療の必要な黄疸とそうでない場合とを見分ける方法などを紹介します。

この記事のポイント

  • 多くの新生児は生後まもなく黄疸が現れ、全身が黄色くなる
  • 新生児の黄疸は、ほとんどが問題のない生理的黄疸だが、中には治療の必要な病的黄疸の場合もある
  • 病的黄疸か生理的黄疸かを判断するには、黄疸が生後何日目に発症したかが重要

問題のない黄疸=生理的黄疸

黄疸とは、ビリルビンという色素が何らかの原因で血液中に異常に増加したことにより、全身の皮膚や眼の結膜(白眼の部分)が黄色く変色することをいいます。ビリルビンの多くは、古くなった赤血球が破壊されることで生じます。新生児は赤血球の寿命が短かったり、ビリルビンを代謝する能力が未熟だったりすることから、ビリルビンが血中に残りやすく、正常であっても黄疸が発症しやすい状態にあります。生後2日~3日ごろに黄疸が出現し、2週間程度でなくなる黄疸は生理的黄疸といわれ、90%以上の新生児に見られる、一過性のもので、特に治療をする必要はありません。

治療の必要な病的黄疸の原因と治療法

生理的黄疸以外の、治療が必要な新生児黄疸をまとめて、病的黄疸と呼びます。病的黄疸の原因には、血液、肝臓、胆道、消化管の異常など、さまざまな病気が考えられます。主なものを挙げました

  • 新生児溶血性疾患
  • 胆道閉鎖症
  • 新生児肝炎
  • ガラクトース血症
  • 敗血症

検査の結果、上記のような病気が認められ、病的黄疸だと診断された場合、まずは光線療法を行います。光線療法は皮膚に光を当て、そのエネルギーで血中のビリルビンを腎臓や肝臓から排出されやすくするという治療法です。光線療法を行ってもビリルビンの値が下がらないときは、交換輸血を検討します。

なお、中には病的黄疸に含まれるものの、特に治療を必要としない、母乳黄疸というものもあります。これは、生後1週間程度たってから、主に母乳を飲んでいる新生児に現れる黄疸で、母乳中のプレグナンジオールという成分がビリルビンの代謝を抑制することで発症するとされています。母乳を中止すると黄疸は改善しますが、現れる症状が黄疸のみで、低体温や低血糖、呼吸障害などの危険な症状を伴わない場合、母乳を中止する必要はないとされています。

ポイントは「黄疸が生後何日目に発症したか」

新生児黄疸が生理的か病的か見分けるには、「黄疸が生後何日目に発症したのか」が重要なポイントとなります。

生理的黄疸の場合、古くなった赤血球からビリルビンが産生され、それが血中に蓄積されるまでにタイムラグがあるため、大体生後2日~3日後から黄疸が出始めます。

それよりも前、生後24時間以内に黄疸が発症した場合は、血液型不適合(胎児と母体のRhもしくはABO不適合)などによる新生児溶血性疾患のおそれが高いといえます。交換輸血などですぐに治療を行う必要があるでしょう。

続いて病的黄疸が出現するのが、生後1週間ごろです。母乳黄疸以外のケースは治療が必要なため、しっかりと検査をしてもらいましょう。

生後1週間というと、通常の経膣分娩であれば退院している時期です。赤ちゃんの様子におかしなところがないか、よく観察をし、必要に応じて、病院を適切に受診してください。

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