赤ちゃんにも便秘はある? 便秘を起こす子どもの病気

赤ちゃんにも便秘はある? 便秘を起こす子どもの病気
2018.07.11 子どもの病気

監修:福島県立医科大学 小児科学講座 教授 細矢 光亮 先生

便秘というと、成人女性に多い印象がありますが、赤ちゃんにも起こることがあります。赤ちゃんの便秘の基準や原因、そして便秘を主な症状とする病気について紹介します。

この記事のポイント

  • 排便回数は、新生児が1日2回~7回、1歳~2歳になると1日1回で、これを下回ると便秘といえる
  • 子どもの便秘は水分不足や食事の量が少ないことなどが主な原因。中には慢性化することもある
  • 便秘を伴う主な病気には、Hirschsprung病、クレチン症などがある

赤ちゃんや子どもの便秘の基準と主な原因

赤ちゃんや子どもでも、便秘になることはあります。1日の平均的な排便回数は、新生児の場合、2回~7回。それが1歳~2歳になると1回になり、大人とほぼ同じになります。これより少ない場合を便秘と考えますが、1歳に満たない赤ちゃんの場合は個人差が大きく、治療の必要な便秘かどうかの判断は専門医でも難しいといわれています。一般的には以下のような症状がある場合、治療の必要な便秘を疑うことが多いようです。

  • 排便回数が週3回より少ない、もしくは5日以上排便がない
  • 毎日排便があっても、排便時に痛がっていたり、肛門が切れて血が出たりする

乳幼児の便秘は、母乳やミルクを含む水分不足や食事の量が少ないこと(摂食不良)などを原因とした急性便秘であることが多く、水分や食事量を補うことで解消されることがほとんどです。

慢性便秘症になったら

中には便秘が1か月~2か月以上続き、慢性化することもあります。子どもの慢性便秘症はそれほど珍しいことではなく、10人に1人ほどが発症し、(1)離乳の開始時、終了時 (2)トイレトレーニング時 (3)小学校入学時が発症しやすいタイミングだといわれています。

慢性便秘症が疑われる場合は、病院に行き、診察を受けましょう。必要に応じて、レントゲン撮影や超音波検査を行うこともあります。慢性便秘症と診断されたら、まずはどれくらい便が溜まっているのかを確認し、浣腸や服薬により、溜まった便を排出させます。その後、生活習慣や食事を整えたり、排便習慣を改善したりしながら、再び便秘にならないよう治療を行います。十分な効果が得られないときは、薬を処方されることもあるでしょう。子どもの便秘治療に使われる薬は、基本的に安全性が高く、大人用の便秘薬のように、依存度が高くなることはほとんどないといえます。

便秘を伴う主な病気

そのほか、病気が原因で便秘が起こることもあります。便秘を伴う主な病気を挙げてみました。

Hirschsprung病(先天性巨大結腸症)
腸管壁内の神経細胞が先天的に欠損することで発症します。新生児期から便秘やそれに伴う腹部の膨満や嘔吐が見られるのが特徴です。しばらくは様子を見て、手術に耐えられる体力がついた生後3か月くらいになったら、手術をして、治療を行います。女児よりも男児に多く見られます。
クレチン症(甲状腺機能低下症)
甲状腺の形成異常などにより、体にさまざまな異常が生じる病気です。症状の一つに排便機能の低下があり、便秘になることがあります。治療の際には、甲状腺ホルモンの補充が行われます。

便秘の度合いに応じて、適切に治療を行えば、慢性化していても便秘はほぼ確実に改善します。治療を始めるのが遅くなると、その分、重症化しやすいので、便秘の慢性化が疑われる場合は、なるべく早く病院を受診してください。

このページの上へ