赤ちゃんに血便が出たら? 考えられる病気と応急処置

赤ちゃんに血便が出たら? 考えられる病気と応急処置
2018.06.13 子どもの病気

監修:福島県立医科大学 小児科学講座 教授 細矢 光亮 先生

赤ちゃんがもしも血便をしたら、どうすればよいでしょう? 救急に電話したほうがよいのか、それとも診療時間に連れて行けばよいのか、それもわからず戸惑ってしまうのではないでしょうか。赤ちゃんの便に血が混じっていた場合の対処法、そして考えられる病気について解説します。

この記事のポイント

  • 便に血が混じっていても赤ちゃんの機嫌が良く、様子のおかしなところが見られない場合は、小児科の診療時間を待って受診すればよい
  • 血の混じった便は捨てずに持参すること
  • ぐったりしていたり、腹痛や嘔吐を伴っていたりするときは、すぐに救急を受診すること

赤ちゃんの機嫌が良く、元気であれば様子を見て

赤ちゃんが血の混じった便=血便をした場合、まず確認すべきは「本当に血なのかどうかを確かめること」です。まだ母乳やミルクしか飲んでいない、月齢の低い乳児の便に赤いものが混じっている場合、それはほぼ間違いなく血液だと判断できますが、離乳食を食べている場合、トマトやスイカなどが消化されず、そのまま便に混じって排出され、血液のように見えることがあります。まずは便に混じった赤いものが本当に血液なのかどうかを、慌てずに確認しましょう。

便に血が混じっていても、深刻な病気であるとは限りません。例えば、新生児~生後6か月の赤ちゃんが発症する、乳児良性直腸出血(にゅうじりょうせいちょくちょうしゅっけつ)は、出血があっても機嫌が良く、血便以外は特に異常が見られません。なんらかの原因により直腸粘膜の代謝が活発になって微量の出血が起こり、便に筋状や点状の鮮血が混じりますが、ほとんどの場合、自然に治癒するため、特別な治療は行いません。

そのほか、肛門周辺が切れて出血することで、便に血が混じることもあります。いずれにせよ、血便が出ても赤ちゃんが元気であれば焦って救急を受診する必要はなく、様子を見ながら、かかりつけ医の診療時間に受診して問題ないでしょう。

血の混じった便は捨てずに持参する

救急であれ、かかりつけ医であれ、血便が原因で病院を受診する場合、一つ注意しておきたいことがあります。それは、血の混じった便を捨てずに持参することです。「血の混じった便」と言っても、鮮血が便のところどころについているものもあれば、粘血便という腸の粘液に血液が混じっているもの、全体的に赤黒い色をしたものまで、さまざまです。どのような形状をしているのか、医師が直接見て判断できるよう、血便はオムツに包んだままの状態で病院に持っていってください。

血便を伴う病気

血便を伴う、赤ちゃんの主な病気には、以下のようなものがあります。

腸重積症
腸の一部が別の部分に折り重なる病気で、痛みや嘔吐、血便などの症状を伴います。「元気で順調に成長していたのに、突然激しく泣き出して、母乳やミルクを飲まなくなり、便に血が混じる」のが典型的な例です。赤ちゃんにこうした様子が見られる場合は、救急を受診したほうがよいでしょう。
細菌性腸炎
病原性大腸菌、サルモネラ、ウェルシュ菌、黄色ブドウ球菌などに感染することで腸が炎症を起こす病気です。急激な発熱、嘔吐、下痢が起こるほか、血便を伴うこともあります。下痢により脱水症状を起こす危険性もあるため、月齢の低い赤ちゃんの場合は特に、なるべく早く病院を受診しましょう。

上記以外にも、血便を伴う病気はあります。血便があり、赤ちゃんがぐったりしていたり、発熱や腹痛、下痢、嘔吐を伴ったりしている場合は、すみやかな受診をおすすめします。

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