突然の高熱、発疹…夏~初秋に流行する子どもの感染症

突然の高熱、発疹…夏~初秋に流行する子どもの感染症
2018.07.11 子どもの病気

監修:福島県立医科大学 小児科学講座 教授 細矢 光亮 先生

感染症には、年間を通して発症するものと、季節によって流行のしやすさに違いのあるものとがあります。今回は夏~初秋にかけて流行しやすい子どもの感染症とその症状を紹介します。

この記事のポイント

  • 夏~初秋にかけて流行しやすい感染症には、ヘルパンギーナや手足口病などがある
  • 手足口病は手や足、口に発疹が出る病気。ほとんどが軽症だが、合併症を引き起こすこともある
  • ヘルパンギーナは突然の高熱と口の中に赤い発疹ができるのが特徴

夏~初秋にかけて感染しやすいエンテロウイルス

暑い季節に流行しやすい子どもの感染症として代表的なのが、手足口病とヘルパンギーナです。これらは共に、エンテロウイルスというウイルスに感染することで発症します。エンテロウイルスの感染経路は飛沫感染が一般的ですが、感染した子どもの便から感染することもあります。ウイルスは体内に入り込むと、3日~6日の潜伏期間を経て腸で増殖した後、血液を介して体の各部に運ばれ、さまざまな症状を引き起こします。

手足口病の主な症状と治療

手(手のひら、手の甲、指の間)、足(足の裏や甲、膝の裏)、口の中に赤く小さな発疹がたくさん出るのが手足口病の主な症状です。発疹はあるものの、かゆみはほとんどありません。中には発熱を伴うこともあります。1歳ころに発症することが多く、ほとんどが5歳以下です。特に治療をせずとも、1週間程度で症状がなくなり、後遺症もありませんが、ときに無菌性髄膜炎や脳幹脳炎、ギラン・バレー症候群などの合併症を起こすことがあります。子どもが発症した場合は、体調の変化に気をつけておきましょう。

ヘルパンギーナの主な症状と治療

ヘルパンギーナを発症すると、突然39度以上の高熱に見舞われ、喉の奥や口の中に赤い発疹ができます。発疹はいずれ潰れ、痛みを伴います。手足口病の症状に似ていますが、高熱を伴うこと、発疹が口の中だけであることが特徴です。約90%が4歳以下の子どもで、1歳ころの発症者が最も多く見られます。一般的には軽症で、1週間程度で症状は収まりますが、治療中は高熱とそれに伴う熱性けいれん、食欲不振による脱水症状に注意が必要です。

プール熱、流行性角結膜炎…プールで感染しやすい病気

そのほか、プール熱(咽頭結膜熱)などのアデノウイルスによる感染症にも注意が必要です。プール熱は高熱が出て、のどと目の両方に炎症を起こす病気です。水を介して感染するので、プールの季節に感染する熱=プール熱と呼ばれています。死亡例の報告もあるなど重症化の危険がある病気ですが、近年はやや減少傾向にあります。
白眼が充血してかゆみが出る流行性角結膜炎も、同じアデノウイルスによる病気です。軽く接触しただけでも感染しますので、感染拡大予防に努める必要があります。

どの病気も、夏に感染者が多いものの、夏以外の季節にも、もちろん発症します。注意しておきましょう。また、発症すると感染拡大を防ぐため、保育園や幼稚園への登園を制限されることがあります。手足口病の場合は特に、症状はあるものの元気なことが多いため、保護者の方は大変かもしれませんが、重症化して合併症を起こすこともあります。軽く考えすぎないように注意してください。

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